word文档怎么调整表格:農業ネット(施肥の基礎)

来源:百度文库 编辑:偶看新闻 时间:2024/04/28 15:38:30
3)施肥の基礎知識
①作物に必要な成分
作物の生育には、16成分が必要とされています(表3-1)。このうち、酸素と水素は水から、また炭素は、空気中の二酸化炭素から取り込むので、肥料として施用する必要はありません。
窒素、りん、カリウム、カルシウム、マグネシウムの5成分は、多く吸収されることから多量要素と呼ばれています。このうち、窒素、りん酸(りん)、加里(カリウム)を肥料の3要素といい、市販されている多くの複合肥料にはこれらの成分が含まれています。
鉄やマンガン、ほう素、亜鉛、モリブデン、銅などは作物の生育には欠かせない成分ですが、吸収量が少ないため、微量要素と呼ばれています。これらの成分は、土壌や堆肥にも含まれているため、土づくりが充分行われておれば肥料として施用する必要はほとんどありません。また、水稲は、ケイ酸を多く吸収するため、ケイ酸カルシウムがよく施用されます。

②肥料の種類
a.有機質肥料
油かすや魚かすなどの有機質肥料は、各種産業から排出される副産物や廃棄物を処理して作られており、含有肥料成分は原料や処理方法によってかなりの幅があります(表3-2)。また、これらの有機質肥料では、含有窒素量の55~70%しか分解して作物が利用しやすい形になりません。さらに、分解時にはpHや温度、土壌水分などの影響を受けやすいことが明らかにされています。しかし、窒素の供給源だけではなく、微量要素の供給などの化学的な改善効果や物理性の改善、有用微生物の増加など生物性の改善効果が期待されています。
近年、消費者の有機栽培への関心の高まりの中で、有機質肥料を使用する事例も増加してきています。実際、化学肥料と同一窒素施用量で試験した場合には、収穫物中のビタミンC含量が高まり、人体に有害な硝酸態窒素含量が少ないという報告もあります(表3-3)。しかし、多量施用をした場合には、硝酸態窒素やビタミンC含量は化学肥料を施用した場合と同じか逆になることもあるので注意が必要です。
ア.植物質肥料
植物油かすの窒素はたんぱく態で、肥料効果は魚かすなどの動物質肥料よりは緩やかです。しかし、分解過程でガスや有機酸が発生し、作物に害を及ぼすことがありますので多量施用をしないようにします。りん酸はフィチン態でやや緩やかな肥料効果を示し、加里は、そのほとんどが水溶性で他の成分に比べて速効性ですが、含有量が少ないため化学肥料などで補充する必要があります。
イ.動物質肥料
魚かすに含まれる窒素は土壌中で分解しやすく、油かすなどの植物質肥料よりも作物に速やかに吸収されます。油かすなどと同様に、多量に施用すると窒素の分解過程でアンモニアや亜硝酸のガスが発生して作物に害を及ぼすことがありますので、過剰な施肥をしないようにします。りん酸は主としてりん酸三石灰で肥料効果が緩やかです。しかし、加里の含有量が少ないので加里肥料の併用が必要となります。


b.主要化学肥料
窒素肥料では硫酸アンモニアや尿素、りん酸肥料では過りん酸石灰、熔成りん肥、加里肥料では硫酸加里が一般的で、単独または複合肥料の原料として使用されています(表3-4)。また、石灰質肥料には水酸化石灰(消石灰)や炭酸石灰などがあります。それぞれの肥料の特性は次に示す表の通りです(表3-5)。


c.複合肥料
複合肥料は、窒素、りん酸、加里のうち、少なくとも2成分以上含むもので、表3-6に示すように、含有割合によって9タイプに分類されます。また、複合肥料は、製造段階で化学的操作を加えた化成肥料と化学的な操作を加えずに数種の肥料を混合した配合肥料などに分かれます。最近は、表面を樹脂などで被覆して肥効を調節した被覆肥料が多く販売されています。
表3-6 配合肥料?化学肥料の分類(肥料便覧)

d.被覆肥料
被覆肥料は、水溶性の肥料を樹皮などで被覆して、肥料成分の溶出を緩やかにしたものです。溶出速度の違いによって、初期から溶出するリニア(放物線)タイプと作物の吸収量が少ない時期に窒素の溶出を抑えたシグモイドタイプに大別されます(図3-1、表3-7)。また、同じ肥料であっても溶出速度を変えた製品が多く発売されています。一般に被覆肥料からの養分の溶出は温度の影響を受けやすく、高温ほど溶出が速くなります。
被覆肥料は、硫安や尿素などの速効性肥料に比べて窒素の溶出が緩やかであるため、溶脱量が少なく、施用窒素の利用率は高まります。たとえば、ニラでは、株養成期に被覆肥料を施用することによって、慣行の約半分の窒素施用量でも収量が10%程度増加するという試験結果が得られています(表3-8)。また、保肥力が乏しく、排水が良好な砂質畑において被覆肥料を使用すると、窒素の溶脱が大幅に抑制された事例も数多く報告されています。地球温暖化に悪影響を及ぼす物質の1つである亜酸化窒素は、被覆肥料の使用によって発生量を低減できることが明らかにされています。

図3-1 被覆肥料の溶出模式図


③施肥法
栽培基準からみた施肥量は、作物の種類や品種、作型などによって異なります(表3-9~12)。ピーマンやシシトウ、ナス、キュウリなどでは、施肥量が比較的多く、水稲やスイカ、メロン、オクラ、早堀カンショ、花き類などでは少なくなっています。
過剰な施肥は、生産費(肥料代)を増大させるばかりではなく、作物が過剰繁茂となって品質や耐病性の低下を招きます。また、余剰な窒素は溶脱し、河川や地下水の硝酸態窒素汚染の原因となります。このため、適正な施肥を行うことはたいへん重要で、土壌診断の実施は欠かせません。
施設栽培ではビニールの被覆前に元肥を施用すると、その後の降雨などによって窒素が流亡し、施肥効率の減少と地下水の硝酸態窒素汚染などを招きます。このため、施肥はできるだけビニールの被覆後に行うようにします。沖積土壌(灰色低地土)の場合、ビニール被覆後に2~4割減肥しても収量はほとんど変わらないという試験結果が得られています。また、魚かすや油かすなどの有機質肥料を播種直前に施用すると発芽阻害を起こすことがあるので、施肥は播種の7~10日前までには行うようにします。




④土壌診断の基本
土壌診断を行う場合、窒素やりん酸、加里、石灰、苦土などの主要成分を分析することも必要ですが、pHとECの測定によってかなりのことが判断できます。
人間の健康診断に例えると、pHは「体温」、ECは「血圧」に相当し、いずれも重要な診断項目です。
1)pH
pHは酸度を表し、pHが低いと酸性、高いとアルカリ性を示します。pHが低くなる原因としては、多肥、降雨などによる石灰などの塩基類の流亡など、高くなる原因としては塩基類の蓄積が考えられます。
pHが低い場合には、活性アルミニウムなどによる生育阻害、りん酸欠乏症やマンガン過剰症などの生理障害の発生、硝酸化成菌の活動低下と亜硝酸ガス害の発生などが生じます(表3-13)。
このため、石灰質資材を施用して図3-2に示すような作物の生育に適する土壌pHに矯正します。pHが著しく低い場合や早期にpH矯正をしたい場合には、苦土石灰や炭カルにかえて消石灰などアルカリ分が高い資材を施用します。pH矯正に必要な石灰質資材の施用量は、土壌pHや土壌の種類、施用する資材などによって異なりますが、概ねpHを1上げるのに炭酸石灰で10aあたり150~200kgが必要です。
一方、土壌pHが高い場合には、鉄やマンガン、亜鉛などの欠乏症やアンモニアガス害が発生しやすくなります。このため、石灰質資材の施用を止め、掛け流しなどによる除塩を行います。硫黄華を使ってpHを下げる方法もありますが、ECが上昇するなどの問題点があります。

図3-2 作物別好適土壌pH

2)EC
ECは電気伝導度ともいい、土壌中の肥料成分、特に硝酸態窒素含量を推察するためによく測定されます(図3-3)。一般にEC値が高ければ、土壌中に硝酸態窒素が多く残存していると推察して、元肥や追肥の施肥量を少なくします(表3-14、3-15)。また、EC値が低ければ土壌中の硝酸態窒素量は少ないと推察して、追肥を施用します。一度に施用する追肥の窒素量は、10aあたり、速効性肥料で2~3kg以内、緩効性肥料で4~5kg以内とします。
このようにECは簡便に土壌中の窒素含量を推察する手段として広く活用され、土壌診断には欠かせない項目となっています。しかし、近年、ハウス栽培土壌では、ECと硝酸態窒素含量との相関が低く、硝酸態窒素がないのにECが高いという場合が多くみられるようになってきました。これは、硫酸アンモニアや過りん酸石灰、硫酸加里などの硫酸根肥料またはこれらを配合した肥料の施用によって、土壌に硫酸根が多量に蓄積してきたためです。このため、硫酸根が蓄積しているようなハウス土壌の診断を行う際には、ECの測定だけではなく、硝酸態窒素の測定も併せて必要となってきています。。

図3-3 ???土壌におけるECと硝酸態窒素の関係(高知農林技研)