江桥中学:植物工厂-成本

来源:百度文库 编辑:偶看新闻 时间:2024/04/28 17:02:07
第4章 植物工場とコスト
-61-
第4章 植物工場とコスト
【概 要】
1.植物工場の初期投資の比較
(1)完全閉鎖型と太陽光利用型の比較は、太陽光利用型が安く、完全閉鎖型の
約2/3であるが、既存建物が有れば完全閉鎖型も得。
(2)太陽光型は、リーフレタス120円/株の売価換算で、4.7億円の投資。
(3)太陽光型と人工光型の電力燃料比較は、価格差で17%。売電余力のある
施設や太陽電池などの組み合わせが有望。
(4)野菜のコストでは、露地栽培は安いが、異常気象で価格が乱高下など不安
定。安定性を重視する外食産業は植物工場の活用が増加。
2.植物工場野菜のコストメリット
洗浄や廃棄コストが60%~70%とのオペレーションコストが削減できる。
3.野菜等の価格イメージ
サフランやハーブなど付加価値が高いがニッチマーケット。何を作り、何処に
売るかのビジネスモデルを組み立てることが重要。
4.植物工場の参入コスト(初期投資)シミュレーション
(1)完全閉鎖型1億4000万円(既存建物利用)、太陽光型1億8000万円。
新規参入には国、自治体の補助制度が重要。
(2)地元農家と連携して遊休?低利用農地の有効活用。
第4章 植物工場とコスト
1.完全閉鎖型と太陽光型との初期投資比較
完全閉鎖型と太陽光型の初期コストを比較する。従来は、建物まで考えることが多
かった為、太陽光型が圧倒的に有利であったが、昨今の情勢で、空き工場や空き倉庫
など、建物部分のコストを考えなくても良い状況が発生している。空き建物があると
いう前提であれば、栽培の装置だけを設備すれば良いので、太陽光利用型よりも初期
投資は安く済む。あとはランニングコストの比較となってくる。
【参考】
底地1000㎡(300坪)
建物坪50万×300坪=1億5000万
栽培坪12万×300坪×4段=1億4400万
計2億9400万
温室4000㎡(1200坪)に相当
温室+栽培坪15万×1200坪=1億8000万
計1億8000万
Point! : 既存建物があれば、完全閉鎖型もお得!
施設規模と経済性
大規模施設化仮想大規模化中小規模施設
想定規模5ha×1 0.5ha×10 0.5ha以下
大規模化投資額×(10億円) ◎(0.5億円) -
ランニングコスト◎ ○ ×
資材調達◎ △ ×
生産性◎ ◎ △
需要変化対応○ ◎ ○
多種生産△ ◎ ○
リスク管理△ ◎ ○
資料)東海大学開発工学部 星 岳彦教授資料より
-65-
第4章 植物工場とコスト
(1)太陽光型植物工場の収支(参考)
下図は太陽光利用型の場合の、巡航年のキャッシュベースのランニングコストであ
る。太陽光型の場合は、リーフレタス換算で、売価設定(卸値ベース)は1株約120
円程度で栽培できるようになる。諸条件は下図のとおりである。出荷形態や条件など
によっても、コストの配分が変るが、袋詰めして箱詰めし出荷するパターンを想定し
ている。
■ リーフレタス年225 トンの場合
① 初期投資施設費4.7 億円(50%補助仮定)
② 売価設定120 円/株
③ 1日約7500 株出荷(750kg)
④ 年間売上 約2 億600 万
[植物工場設置の投資変動要素]
返済金は初期投資施設の半額2.35 億円を借入
利率4%返済期間12 年で諸経費別
造成費は含みません。
洗浄コストは含んでいません。
ノウハウ提供?コンサルティング費用は別途です。
あくまでも参考で、事業内容を保証するものではありません。
※植物工場の補助金は、今後、農林水産省が予算化される予定で、初期投資額の軽減には補助金
が必要となる。
※運転資金は別途必要です。
リーフレタス
-66-
第4章 植物工場とコスト
(2)太陽光型と人工光型の電力燃料比較
太陽光型と完全閉鎖型の電力燃料費のみを取り出して、わかりやすく比較したグラ
フである。価格差は約17%となっている。地産地消で、物流コストを削減する。提
供のしかたを簡略化して、袋詰めや箱詰めのコストを削減する。などなど、オペレー
ションコストにおいて、ビジネスモデルを工夫して、少なくともこの17%を圧縮す
ることが必要となる。余剰電力のあるところなどでは有利になるし、補助金などによ
り自然エネルギーが使えればそれも良い。しかし、その為に追加コストが必要なよう
では、野菜のコストが高くつくので、本末転倒である。
Point! : 売電余力のある施設サイドなら、可能性あり。
太陽電池などとの組み合わせも有望
25%
電力燃料費(対売上比率)
太陽光型完全閉鎖型
8%
-67-
第4章 植物工場とコスト
(3)植物工場のコスト課題
露地栽培にくらべて、太陽光利用型と完全閉鎖型の野菜のコストがどのような差が
あるかを、視覚化した図である。しかし、露地栽培では一般的に人件費をコストとし
て正確に計算しない例が多く、実際の流通価格では、更に差が開くこととなる。しか
し、露地栽培の野菜は、異常気象などにより価格が乱高下し、さらに数量が揃わなく
なる。(梅雨どき、夏の猛暑、秋の長雨、冬の雪などがあげられる。)最近では外食産
業を中心に、調達の安定性を重視し、植物工場の野菜を利用するケースが増加してい
る。
露地野菜
太陽光利用
約20%:償却コス

※用地コストは農地並に限定
※異常気象により価格乱高下
※価格だけでなく、必要数量が調達できない事も
ダブルパンチ!
完全閉鎖型
約20%:電気代
※既存建屋にプラント設置の場合
-68-
第4章 植物工場とコスト
2.植物工場野菜のコストメリット
外食産業が植物工場野菜に注目するには、洗浄や廃棄コストが削減できるという大きなメリットがある。通常、外食産業では、野菜を洗って、カットして使う。大手のチェーンになると、厨房でのオペレーションコストを下げる為に、センターを持っていて、そこで集中的に洗浄?カットを行っている。このときに、次亜塩酸という薬材と、大量の水を使い殺菌洗浄し、人手によってカットし、露地物では芯の部分を廃棄することになる。植物工場の野菜は、もともと、そこそこ清潔で、可食部が多いため、捨てる部分が少なく、センターにおける一連の作業を簡略化することができ、結果として、オペレーションコストの節約につながる。理論的には3割程度野菜が高くても、メリットが出る。
① 洗浄コスト?廃棄ロスの低減
可食部の向上(露地物50%→植物工場90%以上)
無農薬、土を使ってないことで、洗浄性が容易
理論値:60~70%に削減 (3割程度野菜が高くてもメリット)
廃棄コストの削減
洗浄?カット?人件費コストの削減
(水道代、薬剤費の低減)
-69-
第4章 植物工場とコスト
3.野菜等の価格イメージ
様々な作物の価格イメージと、消費量の関係を示す。付加価値の高い物が有利であ
るが、だんだんと消費量が少なくニッチなマーケットになる。何を作り何処に売るか
は、ビジネスモデルを組み立てる上で重要なファクターであり、慎重に検討する必要
がある。
価格帯1kgあたり
消費量種類品名0  1000 2000 3000 4000 5000 6000 7000 8000 9000 10000 20000 30000 40000
スパイスサフラン
ハーブローズマリー
バジル
果物ぶどう?サクランボ
葉物ルッコラ?クレソン
果物レタス類
葉物ミカン
実物苺
トマト
市場規模と換金性
順位種類品目市場(億円) 順位種類品目効率(円㎡)
1 根菜バレイショ2,438 1 果菜イチゴ3,709
2 果菜イチゴ2,278 2 果菜ピーマン1,747
3 果菜トマト1,921 3 果菜トマト1,695
4 果菜キュウリ1,557 4 果菜キュウリ1,424
5 葉菜ネギ1,201 5 葉菜ニラ1,411
6 果菜メロン1,185 6 果菜メロン1,322
7 葉菜ホウレンソウ1,071 7 葉菜セロリ1,262
8 根菜ダイコン1,047 8 果菜ナス1,075
9 葉菜キャベツ1,028 9 根菜ショウガ920
10 根菜タマネギ923 10 葉菜ミツバ854
11 果菜ナス889 11 葉菜シュンギク784
12 果菜スイカ836 12 果菜スイカ753
13 葉菜レタス831 13 葉菜ネギ687
14 根菜ニンジン775 14 葉菜フキ666
15 果菜スイートコーン548 15 根菜レンコン654
16 果菜ピーマン530 16 葉菜ホウレンソウ575
17 葉菜ハクサイ515 17 葉菜チンゲンサイ568
18 果菜エダマメ435 18 果菜サヤインゲン515
資料)東海大学開発工学部 星 岳彦教授資料より
注)2006年の卸売価格のデータを加工。ピンクは人工光型植物工場、黄色は施設園芸で経済的生産が確立しているもの  
除くミニトマト
一部が葉ネギ
一部がサラダナ
-70-
第4章 植物工場とコスト
4.植物工場の参入コスト(初期投資)
(1)シミュレーション
植物工場の初期コストをシミュレーションすると、おおむね下記のようになる。
基本的には太陽光利用型が有利であるが、昨今、空き工場や空き倉庫などの既存建物
がすでにあるというケースが増えてきており、この場合は初期コストにおいても完全
閉鎖型が有利になる。
従って、石巻市のように電力優遇のある地域では、運営コストにおいてもかなり有
利になることは、前述の通りである。
しかしながら、国の補助などが50%あったとしても、残り50%の初期コストを、
いわゆる一般農家が借入を行い、事業化していくことは負担が大きく、参入障壁にな
っているのも事実である。また、初期投資の償却負担も大きく、経営が安定するまで
の数年間は赤字になる例も多く、一般農家が安易に参入すべきものではない。また、
新規参入企業の誘致については、各自治体が独自補助を用意するなど、自治体間競争
の様相を呈している。従って、初期投資の25%程度を地元自治体が補助するなどの
施策が求められる。実際に千葉県内の過去の例では、国の50%に加え県や自治体が
約40%を負担し、事業者は初期投資の約10%でスタートした事例もある。特産品を
作り、産地形成を行っていくには、思い切った施策が必要である。
【植物工場のコスト(シミュレーション)】
完全閉鎖型太陽光型
底地1000㎡(300坪)=栽培面積4000㎡
(建物坪50万×300坪=1億5000万既存建屋利用)
栽培坪12万×300坪×4段=1億4400万
温室4000㎡(1200坪)
温室+栽培坪15万×1200坪=1億8000万
自己資金100% 1億4400万1億8000万
50%補助7200万9000万
50%+40%補助1440万1800万
-71-
第4章 植物工場とコスト
(2)コスト削減に向けての既存農家との連携
前述のとおり、一般農家が植物工場に参入するにはハードルが高く、初期投資や事
業運営費負担などの金銭的リスクを負うことになる。
大幅な地方自治体による補助があれば別だが、そうでない場合、一般農家が植物工
場に安易に参入することはお勧めではない。そこで、下図のように、一般の地元農家
は、参入企業との関係を一定に保つことで、リスクヘッジを図ることをお勧めする。
この形であれば、重たい初期投資や、運営費負担を強いられることなく、遊休農地や
低利用の農地を有効活用し、地域の農業全体の活性化を行うことができる。
(?農業生産法人参画)
事業運営主体企業資本
初期投資
事業運営費
地元農家
土地賃貸?労務提供
リスクヘッジ

一定の責任が発生
-72-