波斯登羽绒长大衣女装:平成23年度 農作物技術情報 第2号 水稲

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平成23年度 農作物技術情報 第2号 水稲
2011年04月26日 発行

《震災対策》

◆ 海水の流入があった圃場は十分な除塩を実施したうえで作付けを行ってください。
◆ 除塩を実施した圃場で作付けをする際は圃場を乾かさないように注意し、除草剤は活着を確認
した後で散布してください。
◆ やむを得ず移植時期を遅らせる場合は育苗日程を遅らせるなどの対策をとりましょう。
◆ 農道の路肩に崩れがないか等点検し、農作業事故を未然に防ぎましょう。

1 海水流入と除塩対策実施圃場での作付け上の注意

海水の流入があった圃場は地域の普及センターの指導をもとに除塩対策を実施しましょう。
作付けは十分な除塩対策を実施したうえで行います。作付けにあたっては以下の点に注意してください。
なお、移植時期が適期より遅れる場合は「2 移植時期を遅らせる場合の注意」を良く読んで行ってください。

(1)水管理

海水の流入のあった圃場は生育時期によっては落水等で塩害発生の恐れがあるので、水管理に注意をします。

ア 移植から分げつ期に塩害の影響をうけると葉先の変色、下葉の枯死や分けつが抑制されます。この時期での浅水管理は塩害を助長する恐れがあるので通常よりやや深水管理とします。ただし、極端な深水管理は分げつの発生を抑制するので避けてください。

イ 同様に、中干しも塩害を助長する恐れがあるので避け、間断灌漑で対応しましょう。

ウ 幼穂形成期から開花期は最も塩害の影響を強く受ける時期です。この時期に塩害の影響を受けると出穂期の遅延、籾数の減少、不受精籾の増加で減収となります。幼穂形成期以降は常時湛水とし、登熟期での早期落水を避け、適期での落水に心掛けましょう。

(2)施肥

中干しが行えないため、過剰生育とならないように基肥の窒素施用量は、地域、品種の標準施用量よりも1kg程度減らしてください。

(3)除草剤の使用上の注意

塩害の影響で根の発育が抑制され活着が遅れることから、除草剤の散布は移植後使用適期内での遅めの施用とします。
砂の流入等で水もちが悪いところは湛水深に注意し、剤型は粒剤のものを選択します。
フロアブル剤、ジャンボ剤は効果が劣るので使用をさけてください。
移植後葉先枯れ等が見られた場合には除草剤散布前に真水による掛け流しを行ってから散布してください。

(4)水の入れ替え

海水の流入のあった圃場は塩害と根腐れ防止のため定期的に水の入れ替えを行いましょう。

2 移植日を遅らせる場合の注意

圃場の補修、除塩作業によって適期に移植が出来ず、やむを得ず移植作業を遅らせる場合は移植可能晩限(表1)を考慮したうえで浸種、育苗作業等の作業計画を決めましょう。


 

(1) 育苗

移植時期にあわせて播種時期を遅らせる等の対策が必要です。

ア 苗を稚苗から中苗、成苗にすることで育苗日数を延長することが可能です。表2を参考にしてください。苗の種類を変更するときは「播種量」「移植時期」「苗追肥」「移植時の苗の掻き取り量」に注意します。



イ 育苗時期を遅らせた場合、育苗期間の温度が高くなりやすいので、苗の徒長や細菌病が発生しやすくなります。気温が高い日は夜間も開放するなど、育苗ハウス内の温度管理に気をつけてください。

ウ 育苗の後半で苗が黄化してきた場合は追肥を行います。硫安等の肥料で窒素成分1g 相当量を500 ミリリットルの水に溶かし1箱に散布します。散布後に水をさっとかけて、葉上の肥料を流します。

エ 草丈が18~20cm を超える場合は地上から12~13cm を残して剪葉します。このときなるべく新葉を損傷しないように注意してください。

(2)施肥

移植時期が遅れたことで水田圃場の地力の発現が早まります。基肥の窒素施用量は、地域、品種の標準施用量よりも1kg程度減らしてください。
生育期間中は葉色等に注意し、葉色が極端に低下したり生育が劣る場合は幼穂形成期前での追肥を行う前提で基肥を減らします。
除塩等を行った圃場でも土中に残った塩分の影響により中干しを強く行えないため、過剰生育とさせないためにも基肥を減らす必要があります。

(3)移植時の栽植密度

有効茎確保のため移植時の栽植密度は標準の70株/坪からやや多めの80株/坪としてください。

(4)防除

雑草防除、病害虫防除は従来通りの管理を基本とし、葉色が濃く経過した場合はいもち病等の発生に注意し、必要に応じて追加防除を実施します。
海水が流入した圃場での雑草防除は苗の活着を確認してから除草剤散布を行います。

(5)水稲が作付けできない場合

用水の確保ができない等で水稲が作付けできない場合でも大豆、そば、小麦等の作付けが考えられます。
作付けにあたっては最寄りの農業改良普及センターへご相談ください(各普及センターへの連絡はhttp://i-agri.net/agri/map.php を参照してください)。

3 その他

育苗施設の破損等、苗の確保が困難な場合は直播栽培での作付けを検討しましょう。
直播栽培については中央農業改良普及センター県域グループか最寄りの農業改良普及センターまでお問い合わせ下さい。


 

《定期情報》

◆ 健苗育成:温度?水管理をこまめに行ってください。特に、低温時の苗立枯れ、高温時の細
菌病の発生に注意する。
◆ プール育苗:湛水深は2葉目が出始めたら培土表面より上となるよう管理してください。
◆ 田植え:条件のよい日を選び、活着促進のため田植後の水管理に注意してください。
田植え適期の目安 県南部:5 月10~20 日、県中北部?沿岸部:5 月15~25 日
◆ 雑草防除:除草剤の効果を最大限に発揮させるため、適期?適量散布と田面を露出させない水管理に心がけてください。
◆ 葉いもち予防:水田内や畦畔に放置された取置苗は、いもち病の伝染源となるので、植え直しが終了したら土中に埋没させる等により処分してください。
◆ 農薬適正使用:使用前に必ずラベルを確認し、農薬使用基準の厳守と農薬の飛散防止に心がけてください。
◆ 農作業安全:事故のないよう、農作業安全に十分留意してください。

1 健苗育成

育苗期の管理は気象の変化に応じて、ハウス内の温度?水管理をこまめに行い、丈夫な苗を育てましょう。

(1)気象変動に対応した硬化期の管理

ア 温度管理

寒暖の変化に応じてきめ細かな温度管理を行ってください(表1)。
低温や荒天の日以外は徐々に外気にあてる時間を多くして苗質の強化に努めてください。

なお、低温が予想される場合には、外気温の低下とともにハウス内の温度も低下するため、日没後は早めにラブシートやシルバーポリトウ等で被覆して苗箱の保温に努めてください。
特に、最低気温が氷点下の予報が出され、ハウス内の温度が極端に低下することが予想される場合には、ストーブを用いる等によりハウス内の温度確保に努めてください。


 

イ かん水

基本的に1日1回、朝のうちに床土に十分水が浸透するようかん水します。

夕方かん水すると、床土内の暖まった空気が逃げ、床温が下がってムレ苗の発生原因となります。
かん水する時間帯や過湿に注意してください。

なお、苗が大きくなり気温が上昇してくると、葉からの蒸散が多くなるので、かん水量を増やします。乾き過ぎなどにより、どうしても夕方かん水しなければならない場合には、しおれを防ぐ程度としてください。

ウ 追肥

追肥は苗の葉色に応じて行いましょう。

追肥時期は、稚苗が1.5~2葉期、中苗が2~2.5葉期、追肥量は窒素成分で箱当り1gを苗の葉が乾いている時に与えてください。
追肥後は葉焼けを防ぐため軽くかん水し、葉面の肥料分を流します。

エ プール育苗の湛水深

中途半端な湛水深は病害発生の原因となりますので注意してください。
湛水深は2葉目が出始めたら培土表面より上となるよう管理し、ひたひた水となることは避けましょう。


 

(2)育苗期の病害対策

近年、育苗期後半にピシウム属菌による苗立枯れの発生が目立っています。
適度なかん水(乾燥と過湿を繰り返さない)を行うとともに、低温が予想される場合には、ハウス内が5℃以下とならないよう保温資材の活用等により温度確保に努めるなど、耕種的対策を徹底してください。

特別栽培米や限定純情米などの生産地域では、ムレ苗やピシウム属菌による苗立枯れに対して効果の高い薬剤が防除体系に組み込まれていない例が多いので、特に、育苗管理には注意が必要です。

苗いもちや育苗中に葉いもちに感染した苗を移植すると、早期発生?蔓延の原因となります。
苗いもちの感染を防ぐため、育苗施設内やその周辺には、もみ殻?稲わら等いもち病の伝染源になるものを放置しなよう心がてください。
また、例年、葉いもちが早期に発生する地域や前年多発した地域、種子消毒に生物農薬を使用した場合には、育苗期のいもち病対策を必ず実施してください。


2 安定稲作に向けた本田の準備

(1)畦畔等の補修

水稲が低温に弱い幼穂形成期から減数分裂期前の深水管理実施は冷害軽減技術として有効です。
深水管理(15cm 以上)ができるよう畦畔のかさ上げを実施してください。

また、畦畔や水尻からの漏水を防ぎ湛水状態を保てる圃場をつくることは、深水管理や除草剤等の農薬の効果を発揮するためにも必要となるほか、農業用水の浪費防止にもなりますので、畦畔や水尻の補修も実施してください。

(2)基肥の適正施肥量

基肥量は例年並みとし、中干し期間や追肥量の調整で生育量をコントロールしてください。
具体的な施肥量は農業地帯別に土壌の種類と品種ごとに設けている施肥基準を標準としてください。

なお、「どんぴしゃり」については、初期生育を確保するため、基肥窒素量を慣行品種と比べてやや多めとしてください。
また、復元田初年目や基盤整備間もない圃場では、地力窒素量の発現が増加しますので、表2,3を参考に基肥量の調節(減肥)をしてください。



 

(3)深耕とていねいな代かき

水稲の根域を拡大し、根の活力が後半まで維持されるよう、深耕により作土深を15㎝以上確保してください。
代かきはていねいに行い、均平や湛水深の維持に努めましょう。


3 田植えと水管理

(1)田植え

早植えや遅植えは避け、適期(県南部:5月10日~20日、県中北?沿岸部:5月15日~25日)に田植えを行ってください。
活着の最適水温は16~30℃の範囲内で高温ほど促進されますので、田植えは寒い日や風雨の日を避け、できるだけ暖かい日を選びましょう。

(2)植付深

植付けの深さは、浅いほど浮き苗が多くなり植付精度が低下します。一方、深いと植付精度は向上しますが、活着が遅れ分げつの発生が抑制されるので、稚苗は2cm、中苗は2.5~3cm 程度としてください。

(3)田植え後の管理

ア 田植直後

苗は田植え時の植え痛みで吸水力が低下しています。このため、葉面からの蒸散を少なくするためやや深めの水管理(葉先が2~3cm水面から出る程度)とし、かけ流しなどせず水温の確保に努めてください。

イ 活着後

活着までに通常3~4日を要します。活着後は分げつ促進のため2~3㎝の浅水管理としてください。

ウ 低温時の留意点

一般に気温が15℃以下の時は、葉先が出る程度の深水管理としてください。
ただし、低温でも日照があり風のない日は、日中は浅水にし水温の上昇をはかってください。
 

4 病害虫防除

(1)葉いもち防除

水田内や畦畔に放置された取置苗は、いもち病にかかりやすいので、植え直しが終了したら土中に埋没させる等により処分してさい(遅くとも6 月上旬までに)。

(2)初期害虫(イネミズゾウムシ?イネクビボソハムシ(イネドロオイムシ))防除

箱施用剤を用いて前年一斉防除している地域や前年少発生の地域では、当年の防除は不要です。
過剰な防除を避け、地域の発生状況に応じた防除に心がけてください。

(3)斑点米カメムシ類

斑点米の被害を発生させるカメムシ類は、初期の段階から発生密度を抑えることが重要となります。

本県で斑点米を発生させる主要種であるアカスジカスミカメは、卵で越冬し6 月に孵化盛期となります(平年の孵化盛期は県南部で6 月上旬、県中北部で6 月中旬頃)。
越冬卵の孵化盛期の5 日前後に畦畔の草刈りを行うと、越冬世代幼虫の密度低減に効果的であることが明らかとなっています(県農業研究センター平成19 年度研究成果)。

アカスジカスミカメにより斑点米の被害が問題となっている地域では、越冬卵の孵化盛期に畦畔等の草刈りを地域一斉に実施してください。
なお、アカスジカスミカメの越冬卵の孵化盛期は気象条件によって変動すること、草刈りのタイミングが早すぎても遅すぎても密度低減効果は期待できません。

本年の草刈りの適期については、県病害虫防除所から5 月下旬に情報が発行される予定となっていますので、これを参考にしてください。

 

5 効果的かつ環境に配慮した除草剤の使用

通常の水田では、一発処理剤の1回処理を基本とします。

なお、雑草の発生量が多い、初期の低温や冷水田などで雑草の発生が長期にわたる、難防除雑草のシズイ、クログワイ等が多発するなど、一発処理剤のみによる除草が困難な場合には体系処理による除草を行います。

除草剤の使用にあたっては、効果を最大限に発揮させ、かつ、安全使用を徹底するため、以下の点に留意してください。

(1)雑草の葉齢に応じた除草剤の適期使用

除草剤は処理適期に散布することが大切です。ノビエなどの雑草の葉令(葉数)に応じて遅れないように処理しましょう。
代かき後日数と雑草の生育の関係は概ね下図のようです。


 

(2)スルホニルウレア(SU)系除草剤抵抗性雑草対策

SU系除草剤の連年使用により、本県ではこれまでアゼナ類、イヌホタルイ、コナギなどでSU系除草剤に対する抵抗性が確認されています。
SU系除草剤抵抗性雑草が確認された場合、対象草種に効果のあるSU系以外の成分を組み合わせた一発処理剤、或いは初期剤+中期剤の体系処理により防除してください。

(3)環境への配慮

ア 水田周辺の水系環境への影響に配慮し、田植え前の除草剤使用は行わないでください。
イ 畦畔から漏水のないように水管理に十分気をつけてください。
ウ 散布後の大雨等により、圃場外へのオーバーフローが予想される時は除草剤処理を行わないでください。
エ 使用にあたっては、所定の散布量、散布時期、散布方法を厳守してください。
オ 同一除草剤、同一成分を含む除草剤の体型処理は行わないでください。
カ 除草剤の空袋や空きビン等を適切に処分してください。
キ 農薬のラベルに記載されている止水に関する注意事項等を確認するとともに、止水期間を1週間程度としてください。

(4)除草剤の効果を高めるための留意点

ア 圃場の整地を均平にし、植え付け精度を高めてください。浅植えに漏水が重なると、強い薬害が生じることがあるので注意してください。
イ 代かきから除草剤処理までを計画的に行い、適期に均一に散布してください。
ウ 床締め、畦畔の補修等の漏水防止対策を行い、かけ流しにならないようにしてください。
エ 散布は3~5cm程度の湛水状態で行い、散布後3~4日は水を移動させないようにしましょう。
オ 異常高温?異常低温時には薬害が生じることがあるので、薬剤の特性に応じて使用には十分注意してください。

(5)体系処理の留意点

ア 雑草の発生状況に応じた体系を選択します。
イ 一発処理剤の散布にあたっては、田植後日数にこだわらず、圃場を観察し殺草可能葉齢の範囲内に処理してください。

(6)圃場の大きさと薬剤による雑草防除法

除草剤の散布は圃場の大きさ、形状、圃場条件により散布効率が異なるので、圃場に合った効率的な散布に心がけましょう。


 

(7)少量拡散型除草剤(豆つぶ剤?250 ????剤)の湛水周縁散布方法

少量拡散型除草剤は拡散性に優れているため、以下の条件?方法により畦畔からのみの散布が可能です。

ほ場短辺の長さが
 30mまで????畦畔からの手振り
 50mまで????畦畔からヒシャク様器具を使用した散布
100mまで????畦畔から動力散布機を使用した散布

なお、散布にあたっては以下の点に留意してください。
○ 散布前に湛水深を5~6cm にし、水の出入りを止めること。
○ 散布後、3~5日間程度、田面が露出しないよう水深を保つこと。
○ 藻類?表層剥離の発生がみられるところでは、拡散が不十分となり、効果が劣るので使用しない。
○ 耕起?代かきを丁寧に行い、圃場が均平であること。
○ 強風下での使用は避けること。

 

6 農薬の適正使用

農薬の使用にあたっては、時期?量?回数等の使用基準を必ずラベル等で確認し厳守してください。

また、ポジティブリスト制の導入により、残留農薬基準の規制が強化されて、基準値を超えた農薬が残留した農作物の流通は禁止されます。
水稲の育苗後に野菜等を栽培するハウスで、土壌に薬剤が飛散すると後作物への農薬残留が懸念されますので、農薬が土壌に残留しないよう、箱施用剤の処理を畦畔等のハウス外で行うか、ハウス内ではビニールシートを使用するなどの対策を講じましょう。


注意!
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